2024/09/29
構成の意図:
2023年の背景を用いています。想定としては電気設備周りの業務を行う会社ですが、社会インフラの業務であればどのようなものに置き換えても理解しやすいと思います。
コロナが明け、気持ちを新たに動き出そうという段階です。コロナ特需の反動により売り上げが予算を下回った前期について説明し、今期、どのように動いていくかを伝えています。
特徴的なのはAIへの言及です。AIに人間の仕事が奪われるのではなく、AIを使いこなせる人間がその他の人間の仕事を奪う。だから自己研鑽しなければならないと、自己成長の重要性を促しています。
持ち時間:
およそ40分
2,振り返り
過去40年を振り返り、コロナやロシアのウクライナ侵攻などによる社会の混乱は今回だけではなく、過去にもさまざまな混乱があった。
だから今が特別ネガティブではない。時代は常に移り変わり、ネガティブな状況とポジティブな状況が都度やってくる。
3,社会インフラはいつの世も重要だ
しかし、売上推移を見れば、この40年、ずっと緩やかな右肩上がりである。その理由は、私たちが社会インフラを担っているからだ。暮らしの中で、社会インフラはなくては困る。水道が止まったらどうなるだろうか?道路が寸断されたらどうなるだろうか?
それと同じように、私たちが活躍の機会をいただいている電気が供給されなければどうなるだろうか?一瞬にして生活できなくなる。
だから、好不況を問わず、社会が混乱しているか否かを問わず、いつの時も求められるのが我々である。
4,前期の振り返り
2020年度、2021年はコロナ禍であるにも関わらず売り上げが大幅伸長した。前期はその反動で前年を下回り、また予算も下回った。いわゆるコロナ特需によって需要が前倒しで発生したことが主要因である。
協力会社の精査を行い、安全性に疑義のある会社の業務量を減らした。その分、受注が減少したため、それが売上減の要因となった。
コロナ特需の反動はコントロールできないことではあったものの、需給のアンバランスは事前に察知することができたのではないかという後悔は残る。
5,電気代の高騰について
電気代が高止まりしたままになっている。
業務が集中する九州と近畿は電気代はほぼ据え置かれているのが救いであるが、他の地域では非常に高く、今のところこれが解消される見通しは立っていない。
しかし、当社にコントロールできることではないため、電気代高騰をカバーするほどの売上獲得に力を入れていくことが事業健康上、良いのではないか。
6,社会の混乱をどう捉えるか
周知のとおり、社会はずいぶんと混乱しているが、さきほども言ったように電気はいつでも要る。もちろんその時々で大変ことも出てくるが、根っこのところでは揺るぎない。
また、社会が混乱すれば、飛躍のチャンスが生まれる。ただしそのチャンスは見えづらいため、みながしっかりと自分の職務と取引先の反応を見てほしい。そのチャンスを見逃してはならない。
7,今期の計画
コロナ特需の反動は昨期の一年だけである。今期はいよいよアフターコロナの、過去三年のような直接的な影響は極めて小さいと言っていい。であれば、われわれの地力が試される一年になるだろう。
2つの活動目標を提示する。
一つは顧客獲得である。営業部門だけでなく他部門もそれぞれの業務領域で間接的に営業活動をおこなえる。それを意識して職務に励んでほしい。
もう一つは、LTV(顧客生涯価値)向上を目的とした、業務効率の向上である。業務効率の向上を目的に置いてはならない。それは無意識のうちに「効率重視」に傾いてしまい、LTV(顧客生涯価値)を毀損してしまう。業務効率を向上させることでLTVが高まり、結果、売上拡大を図れる、このように捉えてもらいたい。
8,生成AIの導入元年
この数年DXを推し進めてきたが、今期を生成AIの導入元年と位置付け、社内業務の一部に生成AIを採用する。むろん、業務効率の向上を目指すのであるが、いっぽうで大きな目的がある。
生成AIを使って何らかの処理をした場合、生成AIに適切な指示を出すのも、生成された内容の真偽を把握するのも、生成されたものをどのように利用するかも、皆さんである。すなわち、生成AIを導入することで皆さん自身の業務レベルが上がり、成長する。
巷では、「AIに人間の仕事が奪われる」と言われているが、それは間違いだ。正しくは「AIを使いこなせる人間がその他の人間の仕事を奪う」である。当たり前の話なのだ。
9,オペレーションセンターの進捗
一昨年お伝えしていた、新オペレーションセンターについて、コロナで1年延びたが今期の7月に着工を開始し来季からの稼働を目指す。これに伴い、30名の増員を予定しており、また一回り、社内に活気が出てくるだろう。楽しみにしておいてほしい。
10,若手会議「これからづくり」
今期より、若手会議「これからづくり」を実施する。20代または社歴が5年未満の若手の社員が集まり、各業務について意見を出し合うというものだ。
会社としては、そこで出た意見を吸い上げ、参考にするあるいはそのまま実行に移す。期待しているのは、若手の皆さんの無軌道で無責任で実現可能性なんかまったく考えていない意見である。そこに10年後、20年後の当社のつくるヒントが隠されているはずだ。くれぐれも取り繕わないでほしい。
11,締めの言葉
※この例文は当社の著作物です。
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