
4月に入りまして、世は令和です。あと3週間ほどすれば間違いなく令和です。そんな令和はずいぶん長く続きます。
さて、新時代の令和。
たぶんもう皆さん、あっちこっちの誰かしらのご挨拶で耳にされていると思います。
弊社にも、「新元号のことを入れたほうがいいかなあ」ですとか「必須ですよね?」というお声が届いておりますが、実際のところ、新元号のことに触れるのは大いに良いことだと思いますが、触れ方を少し考えたほうが良いのではと思うのが、今のところの弊社の見立てです。
どういうことかと言うと、触れ方が一辺倒になりやすくて、誰かがどこかで聞いたことがある内容になっちゃって、ご挨拶が軽くなるのではないかと思うんです。
結婚式の主賓の祝辞でも、あるいは、PTA会長さんの(これからの季節だったら)PTA総会の場面でも、またあるいは、何らかの集まりの場面でも、たいてい、
「時代の節目に、このよき日を迎えられ」
「新たな時代の幕開けとともに、私どもといたしましても、気持ちを新たにして望んでまいりたい」
といったような、令和と平成を新旧として捉え、その狭間にある現在地から未来をどう見るかという触れ方、平たく言えば、「新時代を迎えるので我々も心機一転でまいりましょう」という触れ方、その1点になってしまいます。
もちろん、この内容自体は良いと思うのですが、たぶん、新聞でもインターネットでも、何らかの集まりでのどなたかのご挨拶でも言っていて、既知感が全開になってしまっているんですよね。
言うほどのものでは、すでになくなっています。
それでもよしとするか、「いや、こんな聞き飽きた内容はイヤだ」と思うか、きっとこのウェブページをご覧の方は、後者でいらっしゃると思います。
今から用いるのであれば、違った角度から、違った入り口から、また、違った出口に向けて話す内容のほうが、聴衆はあなたのことを「あっ、あの方、いいこと言うなあ」とお思いになるのではないかと思います。
ここで表現をお披露目することはできませんが(もったいないので)、考え方としては、「別に新時代だからといって心機一転しなくてもいいんじゃないだろうか」「こちらは去年の春と今年の春でなんにも変わっていないよ」といった、世間的に漠然と思われていることの正反対のところに優れた内容があり、また、生活や事業活動において的を得た内容が良いのではないかと感じます。
ご参考になりましたら嬉しいです。
ところで、PTA会長さんのお立場で、生徒たちの前でご挨拶する際、新元号のことを用いること自体、憚られてもよいのではないかと感じます。
とくに小学校・中学校の場合なのですが、生徒たちって、非常に高い確率で元号に興味はないはずだからです。
「そんなことより、今日の部活のことが大事」
や
「あの娘、ホントに僕に気があるのかな」
など、元号が変わるリアルよりも、生徒たちが感じるリアルはいつもより身近にあって、そのほうが重要度が圧倒的に高いことは、明日の仕事を憂いたり、家庭内の冷たい空気を嘆いたりするわれわれ大人にも当てはまることではないかと思います。