ナイチンゲール病院の前川でございます。
麻子さん、中村さん、本日のこのような晴れの門出、本当におめでとうございます。
ご両家の皆様もこのような素晴らしい日を迎え、お二人の微笑ましいご様子を前に、胸がいっぱいになっていることと存じます。本当におめでとうございます。
皆様、お気遣いなくお席におつきください。
この場に立たせていただいたことに感謝し、私から麻子さんに祝福の思いを伝えさせていただきます。
麻子さんは今年の4月に脳外科に配転するまで、私どもとともに集中治療室にて職務に励んでこられました。
麻子さんが学校を卒業して、初めて看護師として働き始めたのが集中治療室であり、それから気がつけばもう、8年が経っていました。
初めて会った頃の麻子さんは、学校での大変な実習を乗り越え、「ようやく看護師として働ける」という思いが強かったのか、そのやる気は挨拶一言にも表れており、「きっといい看護師になる」そう思ったのをよく覚えています。
でもここは、集中治療室。
たくさんのことを経験してきましたね。
1日中、機械の音のなか、今まで実習で学んできた看護とは大きく異なり、戸惑ったこと、しんどかったこと、ときには投げ出したくなったこともあったのではないでしょうか。
優しくて明るくて、人とのコミュニケーションが上手な麻子さんだから、きっともっともっと患者さんに対して何かをしたいという思いが強かったのでしょう。
涙をこぼしながら、それでも自分に出来ることのすべてを一生懸命していた彼女の姿が、今もなお目に焼きついています。
そんな熱い気持ちが仕向けたのか、通常5年もすれば配転されるところ、8年間も集中治療室で働くことになるとは、実は私自身思ってもみませんでした。
そんな麻子さんがご結婚されると知ったときは、まるで母親のような、それほどに大きな喜びで胸がいっぱいになりました。
麻子さん、あなたは本当に頑張りやで、弱い部分を人には見せない、そんな強く凛とした女性です。
しかし、人生はこれからもずっと続く長い道のりです。
早足で歩いたり、走ったり、ときには飛んでみたり。
それが麻子さんらしいのでしょうが、疲れたときや頑張りすぎたときには立ち止まって、隣にいる中村さんの肩にもたれかかる、そんなふうにして一人ではなく二人で歩いているという事実を大切にしてほしいと思います。
ともに励んだ8年間、麻子さんから学ばせていただいたことは本当に数多くあります。
看護師として、一人の女性として、麻子さんの存在は大きかったと、最近あなたのいない病棟でふと考えることがあります。
本当にありがとう。
これからも、たくさんの人のため、家族のため、そして自分のため、一生懸命な思いを忘れることなく、ともに励んで参りましょう。
お二人が進まれる新しい道のりが、温かく光輝くものであることを願い、お祝いの言葉とさせていただきます。
本日は、本当におめでとうございます。
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