2025/03/09
例会の挨拶の題材として地域鉄道の衰退阻止の施策に接する機会がありましたので、ちょっと関連することを。
和歌山電鐵の成功事例は、地方の鉄道会社が利用客を増やすための創造的な戦略をどのように採用できるかを示しています。和歌山電鐵は、マスコットキャラクター「たま」や特別なイベントを通じて、観光客を引き寄せ、利用客を増加させることに成功しました。これらのマーケティング戦略はSNSなどで話題になり、広範囲に認知を広める効果をもたらしました。
しかし、マスコットキャラクターや特別イベントに依存することは、持続可能な運営モデルを構築する上での課題を抱えています。これらの戦略の新鮮味が失われた場合や、競合する観光地や新しい観光資源が出現した場合、観光客の流入が減少し、利用客の増加が一時的である可能性があります。また、マスコットやイベントの効果は一過性のものであり、その効果が薄れるに従い、新たなマーケティング戦略を常に考える必要があります。
さらに、地域の人口減少と、移動手段としての電車の利用が少ないという困難な状況は変わらないため、これらの戦略だけに依存することはリスキーであると指摘されています。地域の人口を増やすことは、利用客を増加させる方法の一つでありますが、これは鉄道会社単独では難しいタスクであり、地方自治体や政府、地域社会との連携が必要です。
これらの問題を考慮すると、和歌山電鐵の成功は、地方の鉄道会社における有効なマーケティング手法を示している一方で、持続可能な運営モデルの構築にはさらなる努力と多様な戦略が必要であることを示唆しています。長期的な視点での利用客増加と持続可能な運営モデルを構築するには、地域との連携、地域全体のアクセス向上や観光資源の開発、住民やビジネスとの連携を強化するなど、多岐にわたる戦略と努力が求められます。それでも、和歌山電鐵の例は、地方鉄道の運営において独自のマーケティング戦略がいかに重要であるかを明示しています。
実際、今の活況をつくった両備グループさんは、すごいと思いますね。