まず、マナーとしては、弔辞を暗記して臨んでいただいても、紙を見ながらご発表いただいても、どちらでも問題はありません。ご安心ください。
紙についても、巻紙(和紙)に筆書きを施したものを使うことが、たしかに丁寧で良いとは思いますが、あえて筆書きをしたものでなければならないということもありませんので、たとえば、パソコンで印刷したものでもお使いいただけます。
読むことと話すことの違いに注目
紙を見ながら弔辞を発表するときに気をつけていただきたいのは、どうしても文字を目で追って読んでしまう行為につながってしまいますので、まさに弔辞を読んでしまいます。
読むことがよくないというわけではありませんが、どうしても感情が前に出てこない、無味無臭の発表になってしまいます。(弔辞の内容は素晴らしいものなのに)
暗記の仕方が重要
そのため、暗記をすることが、やはり望ましいです。
暗記をするといっても、学生時代に、単語帳をクルクルめくりながら英単語を覚えたときのような、理科の「すいきんちかもくどってんかいめい」のような覚え方ではなく、話の筋道を押さえる、つまり、文章を暗記するのではなく、内容の移り変わりを暗記するのが適切です。
暗記をするので、紙はいらない?
「暗記をするので、紙は持たずに臨む」という方や「紙を見ながらだと恥ずかしいので、持たないでいこうと思う」という方がいらっしゃいます。
もちろん、それらも正しい弔辞の発表の仕方です。
「気持ちを楽にするために」という視点では、もしご葬儀当日、何かの具合で頭の中が真っ白になってしまいますと、かなりマズイ(汗)状態になりますので、念のために紙はお手元にお持ちいただくのが円滑です。
だからといって、上述したように、その紙に思いっきり頼ってしまいますと、読んでしまいますので、あくまで安心材料として手に持っておくというくらいに思っていただいたほうが、そのほうが、ご葬儀までにしっかりと内容を押さえようという気持ちにもなってよいのではないかと思います。