ばあちゃん、ついにこの日が来てしまったんですね。こんなふうにばあちゃんにお話をしていて、おばあちゃんが旅に出ちゃうのは本当なんだって、嫌なんだけど、やっぱりその現実が身に染みて、寂しくてしかたがありません。
ばあちゃんの家には、僕が高校生のときくらいまで、毎年の夏休みによく泊まりにいきましたね。社会人になって僕が神奈川に住むようになってからは、なかなか会いに行けてないなあって、すごく気になっていたのを覚えています。
会えばいつも、ばあちゃんは「ご飯はしっかり食べたの?歯を磨いたの?うがいはしたの?」と、いつも僕のことを気にかけてくれて、でも僕は「ねえばあちゃん、僕もう社会人だよ。そんなのいちいち言わくてもきちんとやってるよ。」って心の中では思っていたのですが、よくよく考えれば、ばあちゃんにとって僕はいつまでたっても幼い孫なんだなあって、なんだか恥ずかしいようなでも嬉しいような気持ちになったものでした。
5年前、私が結婚式を挙げたとき、「おめでとう。よかったなあ。」って優しく微笑んでくれましたね。ばあちゃんが喜んでくれたこと、僕はそれが一番嬉しかったです。これからずっと、あのときのばあちゃんの笑顔を忘れることはないと思います。
つい1週間前、次男坊が生まれて、ばあちゃんに抱いてもらおうと思っていましたが、もうそれも今では叶いませんね。でもきっとばあちゃんのことだから、今でも僕のことをやっぱり幼い孫のまま思っていて、「しっかり子供を育てられているの?」「体に気をつけてね、何より健康が一番だから。」って気遣ってくれていると思います。
ねえ、ばあちゃん、僕はばあちゃんにとって、できた孫だったでしょうか。今思うと、ばあちゃんの優しさにあぐらをかいていてばっかりだったような気がして。ゴメンね、ばあちゃん。
本当につらくて寂しいですが、ばあちゃんとの思い出を胸に、前に向かって一生懸命生きていきます。
空の上から、温かく見守っていてください。
ばあちゃん、今まで本当にありがとうございました。
孫5人を代表して、生前のばあちゃんの温かい笑顔を振り返りつつ、お別れの言葉とさせていただきます。
平成29年10月3日
孫代表 吉田忠彦