弔辞を述べることになったとします。
すぐさま、インターネットで検索して例文を探そうとするわけですが、実際のところ、例文を見てみて参考になるのは表現の仕方であって、「どんな内容にしたらいいか」は参考になりません。また、参考にしてはいけないと思います。
なぜなら、例文に書かれている思いよりも、頭の中にある故人への思いのほうが重要で、その思いこそが弔辞の源泉になるからです。
故人との関係が深いものであったなら、その思いも深い。
その際たる立場が孫代表です。
祖父母が孫をかわいがる。とてもかわいがる。祖父母は孫のことが大好きなのは自明の理です。とても愛おしい存在です。
孫もそうです。優しい祖父・祖母のことが、お孫さん誰もが大好きです。もしかしたら、祖母のほうが好きかもしれない。おじいちゃん、ごめんなさい。
(もちろん、ご家庭によって人間模様はさまざまであるという前提ではあるが)
もし、そんな大好きな祖父、祖母が旅路に就いて、孫代表として弔辞を述べることになったのなら、まずやるべきことは、頭の中にある故人との思い出、故人への思いを整理することです。
「おばあちゃん、私が子どもの頃から〜」
「おじいちゃんはいつも〜」
「あのとき私、おばあちゃんに〜」
「おじいちゃん、こんなふうに言って〜」
表現の仕方も大切ですが、まずは、「何を話したいか」に注目していただき、それが固まってから、表現の仕方を考えていくことが円滑です。