気づかずに通り過ぎてしまいがちだけど、何気なく気になることがある。
弔辞の代筆専門「弔辞の森」が、実際の作成の経験をもとにアドバイスをお送りするシリーズ。
今回は、
弔辞に日付が必要な理由
です。
その理由は、「弔辞をご霊前に捧げるため、記録としての日付が必要だから」だと思います。
「だと思います」と申し上げたのは、私どもも明確な答えに至っていないためです。
これは、他の発表用の原稿との比較になりますが、たとえば、結婚式の祝辞を思い浮かべてください(って生涯に5回も10回も結婚式に出席することは滅多にありませんので、思い浮かべにくいですが)。そうなんです。結婚式の祝辞の場合、日付は入れません。
またたとえば、学校の卒業式の祝辞なんかを思い浮かべてください。なんとなく、日付が入っている印象がありますね。(実際に入れることが多いです)
卒業式の祝辞と弔辞に共通すること、結婚式の祝辞には共通しないもの、これを考えて見ますと、発表後、その原稿は提出する(捧げる)という行為の有無ではないかという答えに行き着いたんです。
卒業式の祝辞は、卒業式終了後、学校に収める場合があります。(収めない場合もかなりあります)。同じように、弔辞も、ご葬儀終了後、また、ご発表のあと、その弔辞をご霊前に捧げる行為があります。
他方、結婚式ではそういった行為はありません。
こう考えると、記念として、記録として保管しておくものには日付を入れて、そうではないものには入れない、あるいは入れても入れなくてもどっちでもいい、ということになるのではないかと思います。