自社の工場が竣工し、竣工式とパーティーを行う。
喜ばしいことですね。
竣工式では、来賓として取引先の方を招き、祝辞を述べていただくことがよくあります。そして祝電を多数頂戴することもあります。
このときの来賓と祝電の関係について、昨日、お客様からいただいたご質問を、私の回答かたがた、内容を共有したいと思います。
状況としては、こんな感じです。
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○取引先は、資本金500億円、売上げ1兆円、従業員2万人の「超」がつく大企業である。
○竣工式当日は、この取引先の専務取締役が来賓として出席し、祝辞を述べる予定になっている。
○その後、「社長名義で祝電を送ることも可能だ」と、先方の総務担当者からお話があった。
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この状況で、気をつけなければならないのは、
ご出席いただく専務よりも上の立場にある社長から祝電をいただくのは、
その専務に対して失礼にならないだろうか?
という点です。
次第では、祝辞が先で祝電があと。
専務の祝辞の後、社長からの祝電がありますと、その瞬間、
専務は「会社の代表」としての出席ではなく、「社長の使い」になってしまいます。
実際問題、専務よりも社長のほうが役職的には上なわけですから、問題がないと言えば問題がないですし、祝電をいただく側としても、超大企業の専務には出席していただけるし、社長からは祝電をいただけるしでウハウハです。
が、社長の祝電を専務がよしとするかどうかです。
普通に考えて、資本金500億円の超大企業の、
しかも部長クラスや平の取締役ではなく専務取締役となると、
かなりのプライドの高さを持っているように思います。
だって、それはもうスゴークたくさんのライバルがいる社内で、メキメキ頭角を現し、結果を出し、上司には気に入られ、部下にはリーダーシップを発揮し、決断をし、集中をし、嫉妬やねたみに負けず、足を引っ張られてもあきらめず、などなど、超大企業の専務にまで上り詰めた方は、会社の看板を背景にたしかな実績を持っていらっしゃる方です。
きっと、そのプライドたるや、そりゃあもう相当高いものではないかと。
「半沢直樹」に登場する大和田常務のバンカーとしての矜持も、すごいものがあるじゃないですか。おおこわっ。
とまあ、最終的には専務の性格に依りますが、あまり気持ちいいものでないのは容易に想像できますので、無難なところで、「社長の祝電はないほうがいい」というのが私どもの見解です。
それと、「よろしければ社長の名前で祝電を出しますよ」という
先方からのお話に対しては、
「とんでもございません。専務にご出席いただきますのに、そのうえ社長から祝電をいただくなど私どもは大変恐縮してしまいます。お気持ちだけありがたく頂戴させていただきます。お気遣いありがとうございます。」
というお応えがベストです。専務のプライドを傷つけず、
さらに先方にご無礼を言うわけではありませんので、円滑です。
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