ただ今、ご紹介をいただきました関西電機の田中でございます。
本日は、このようなおめでたい席にお招きをいただきまして、誠にありがたく厚くお礼申し上げます。
ご新郎、ご新婦、ならびにご両家の皆様方におかれましては、心よりお祝い申し上げます。
ご年長の方、諸先輩の方々をさしおきまして、冒頭に祝辞を述べますこと、はなはだ、僭越ではございますが、ひとことお祝いのご挨拶をさせていただきます。
新郎 山田太郎君、新婦 鈴木花子さん、ご結婚おめでとう。
どうぞ、ご着席下さい。
さて、山田君は、6年前、大学院を修了して、弊社に入社する際、「世界をあっと驚かせるような新製品を開発したい」と、抱負を語っておりました。私は、夢を持った若者が大好きでありますので、山田君のその大きな夢に引かれまして、彼を採用したのをよく覚えております。
山田君は、現在、研究開発部に籍をおきまして、夢を実現すべく、日夜、研究に励んでおります。彼は、皆さんもご存知のとおり、努力と誠実の人であり、その仕事ぶりは、大変実直であります。
研究開発の仕事というのは、毎日、実験装置と向き合い、データを収集するという、実に地味で、根気のいる仕事です。その仕事を彼は、朝は、一番に出社し、実験装置に向かい、夜は一番遅くまで残り、データを整理しております。また時間があれば、海外の専門書などにも目を通すという勉強家であり、山田君の仕事にかける情熱にはなみなみならぬものがあります。彼のこの研究にかける努力と情熱が、近い将来、大きく実を結ぶのではないかと、我々も確信しており、弊社の、もっとも期待する社員の1人でございます。
そこで、新婦の花子さん、お願いがございます。このように、山田君は仕事一筋に、のめりこむところがございます。無理をしすぎないように、時には、セーブ役になってあげて下さい。あまりのめりこみすぎても、いい商品は生まれません。新しいものを創りだすには、余裕も必要なのです。
その点、聞くところによりますと、新婦の花子さんとは、小学校からの幼なじみとうかがっております。きっと、山田君と花子さんとの間には、お互いに何でも分かり合える、強い信頼関係が築かれているのだと思います。ですから、花子さんが、山田君のことは心身ともに一番よく理解してくださると信じております。
山田君も、ふだんは寡黙で、あまり感情を表に出さない男ですが、今日は、とてもうれしいという気持ちがその表情からみてとれます。今のその気持ちを大切にして、素敵な花子さんのためにも、これからは家庭も大事にするよう心がけてください。そして、夢を実現すべく、いっそう研究にも邁進して欲しいと思います。
最後になりますが、山田君が、花子さんを幸せにして心と心が通じ合う温かな家庭を築かれることをお祈りし、また、確信しております。
本日は、誠におめでとうございます。
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