皆さん、ご卒業おめでとうございます。
今日こうして皆さんの姿を見ていますと、嬉しさは言うまでもなく、頼もしさ、心強さを感じます。
三年間という、長い人生のごくごく一握りの時間の中で、皆さんは見違えるように立派に成長されました。これはひとえに、勉強で、部活動で、課外活動で達成感と挫折感を味わいながら、皆さん自身が学び得た努力の賜物です。
そして、ご家族や先生方はもちろん、多くの先輩、後輩、友達との交流から得た優しさ、温かさによって育まれてきたからだと思います。
私どもPTAと皆さんとのかかわりが最も深かったのは、学園祭だったように思います。元気な声がこだまする校内で、皆さんと一緒に過ごした時間はかけがえのないものであり、ともすれば皆さんよりも、保護者の皆様、先生方の方が嬉々として臨んでいたのではないかと思います。
私も本校の卒業生ですが、皆さんの屈託のない笑顔を拝見しておりますと、自身の少年時代のことと重ね合わせ、どこか懐かしく、嬉しく、温かな気持ちを持って今この場に立っております。
さて、今皆さんの心の中は、卒業を迎えるというわくわく感、友達と離れてしまう寂しさ、このような気持ちで満たされているのではないでしょうか。もしかしたらもう毎朝学校に来なくても良くなったという安ど感があるかもしれません。
そして、明日になれば、それぞれの新しい日常が待っているわけですが、少しだけ社会に足を踏み入れる皆さんは、自分の考えを持って選択することができる自由を得られ、いっぽうで、思い通りにならない不自由さと閉塞を感じることになるでしょう。
楽しいこと、嬉しいことがたくさんあるのが社会であれば、同時に、辛いこと、寂しいことがあるのも社会です。そんな、時に人を温かく包みこみ、時に人に厳しく接する社会において、皆さんには、大きな大きな夢を持って、自分を信じて生きていってほしい、そう強く思います。
不思議なもので、人は大人になるにつれ、持っていた夢を現実に落とし込むようになります。それはつまらないことです。楽しくないことです。胸いっぱいの夢を心に携え、いっぱい勉強して、いっぱい運動して、目いっぱい笑って、目いっぱい悲しんで、人生を謳歌してください。未来は無限の可能性に満ちているということを信じてください。他人と過去は変えられませんが、自分と未来は変えることができます。思うがままに、です。
何も心配はいりません。皆さんには本校で過ごした三年という何にも代えがたい事実があります。友達がいます。先生方がいます。もちろん私たちだっています。曇りのない眼でまっすぐ進み、十年経っても二十年経っても希望に胸を躍らせる、そんな大人になってください。
保護者の皆様。本日は大切なお子様のご卒業、誠におめでとうございます。子供たちは本日をもって平野高校から巣立ちますが、卒業したあとも子供たち同士はなんら変わることなくつながっていきます。私は、同じ学び舎で過ごした子供たちの、親同士だからこそ感じ得る心の距離、温かみをずっと残しておきたい、ずっと大切にしたい、そう強く願っております。
本日のように、今後も子供たちの節目節目をともにお祝いすることができるなら、子供を見る一人の大人として、平野地区に住む地域の人として、このうえない喜びでございます。今後ともPTA活動に対し、ご理解とご協力を賜りましたら幸いでございます。
卒業生の皆さんに、心からの祝福を贈り、そして、輝く光が未来を照らし続けることを確信し、ご挨拶とさせていただきます。
ご卒業、本当におめでとうございます。
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