12月といえば忘年会シーズン。
会社としての1年を締めくくる大切な場ですが、社長の立場になると少し悩ましいのが「挨拶でどこまで仕事の話をするべきか」という点です。
仕事納めの式ではなく、あくまで“忘年会”ですから、業務報告や方針説明の場ではありません。
忘年会の挨拶で意識したい基本スタンス
忘年会は「1年間の労をねぎらい、みんなで楽しく締めくくる」場。
そのため、業務内容や業績の細かい話に踏み込みすぎず、軽やかで温かみのある言葉でまとめるのが基本です。数字や具体的成果を語るよりも、「1年の感謝」「チームとしての頑張り」「来年への前向きな気持ち」を中心に置くと、自然で心に残る挨拶になります。
社風によってトーンは変わる
忘年会の挨拶は、会社の文化や職場の雰囲気によって最適なトーンが異なります。堅実でフォーマルな社風なら誠実で落ち着いた語り口が合いますし、フラットで若い会社なら明るくテンポのよい話が似合います。また、家族的な雰囲気の職場であれば、人間味のある感謝の言葉が最も響きます。
つまり、忘年会の挨拶は“経営メッセージ”というより、“人の言葉”。その会社らしい空気を映す場だからこそ、社風を鏡にしてトーンを決めるのが自然です。
出席者の範囲によっても変わる
もうひとつ重要なのが、忘年会に誰が出席するか。
社員だけの内輪の場なのか、協力会社や取引先など外部の方も招くのかで、挨拶の方向性は大きく変わります。
1, 社員だけの忘年会
社員だけの場合は、仲間としての一体感を重視し、労いの言葉を中心に。
少し砕けた口調でも構いません。雰囲気づくりが目的なので、数字よりも“感情”で語るほうが場に合います。
2, 協力会社や取引先も出席する忘年会
外部の方が参加する場合は、半分は“社交の場”になります。
この場合、挨拶の前半で協力会社への感謝を明確に述べ、支えてもらったことを前提に話すのが大切です。
ややフォーマル寄りのトーンで、感謝と信頼のメッセージを伝えると印象が良くなります。
 
忘年会の挨拶は、「1年間の労をねぎらう」「感謝を伝える」「来年への希望を軽く添える」――この3点を押さえれば十分です。仕事の話を深く掘り下げる必要はなく、むしろ“人としての温かさ”や“その会社らしさ”を伝えることが、何よりも大切です。
一年の締めくくりにふさわしい言葉で、みんなが心から「いい一年だった」と感じられる場にしたいですね。

					




