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【もしもの表彰】加湿器くんの功績をたたえる挨拶文

time 2021/11/15

 
人に見立てて挨拶をする好評の「もしもシリーズ」

今回は、

加湿器

です。

「乾いてんなら、湿度を上げればいいじゃない」

あなたとの出会いは強烈で、そのせいで私は、その時のことをいつもつい最近のことだと錯覚してしまいます。

この砂漠地帯。雨が降るのは年に一度、しかも1か月間だけです。
それ以外は、乾季、乾季、乾季。草木も生えず、町中がかっさかさです。

これ以上、ここで暮らすのは困難。そう判断した私は本部に掛け合い、対策を講じてもらうことになりました。

その「対策」というのが、ほかでもない、加湿器くんのこのエリアへの派遣でした。

初めましての時に飛び出したのが、この言葉です。

湿度を上げることは、誰もが望んでいることであり、しかし、誰もが諦めかけていたことでした。

加湿器くんのような若造にそれができるのか。当初は誰も君のことを信じていませんでした。申し訳なかったと思いますが、私も信じていませんでした。

「ちょっと、ここに水を入れてくれよ」

加湿器くんは、なけなしの水2リットルを、自分の胃に入れるよう促しました。

もったいない。
あちこちから、ヒソヒソと、そんな言葉が聞こえてきました。

しかし、です。

「いくよ、せーのっ」

ブワァー

加湿器くんの口から、ものすごい勢いで水蒸気が発せられたではありませんか。

イグアスの滝。

まっさきに、世界三大滝の一つであるイグアスの滝を思い出しました。

広大な面積を有するこのエリアが、みるみる潤っていく。

焦げたような色をした地面に、どんどん水分がしみこんでいく。

「快適だ!」
「口の中が乾燥しない!」
「鼻の中もだ!」
「ねえ、うちの子が笑ったわよ!」

気が付けば、このエリアの湿度はすでに45%。
人体に好影響を与えるという、40%~60%の間になっているではありませんか。
村人からの喜びの歓声があちこちから聞こえてきました。

私はその後、加湿器くんに聞きました。

「たった2リットルしかない水で、どのように全土を潤したんだ?」

それに対する加湿器くんの答えが、また痛快でした。

「2リットルと思えば2リットル、200リットルと思えば200リットル」
「だから、2トンと思えば2トンなんだよ。分かる?」

さっぱり分かりませんでした。

ですが、一つ分かったことは、この町の住人にとって彼は必要な存在であるということです。

加湿器くん、この村を助けてくれて、ありがとう。

心からの感謝のしるしとして、ここに村民栄誉賞を贈ります。

2021年11月15日
フライパン山村 村長 羽牟 絵具

※この挨拶文は、著作権法で保護されています。

参考:加湿器 レンタル

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2010/11/06
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2021/02/28
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