先ほどご紹介に預かりました、伊東くんの上司をしております、佐竹です。
本日はこのような素晴らしい席にお招きいただきまして、誠にありがとうございます。
部下の正装姿を間近で拝見でき、嬉しく、また少し含羞の思いでこの場に立たせてもらっています。
伊東家、山口家の皆様、本日はご良縁に恵まれましたこと、心よりお喜びとお祝いを申し上げます。誠におめでとうございます。
そして、伊東くん、沙紀さん、ご結婚おめでとうございます。
伊東くんのことはいつも、貴史と呼んでいますので、今日も親しみを込めていつも通りで呼ばせていただきます。
今から四年前でしょうか。新入社員の中にまだピンと折り目がついた新品のスーツに身を包んだ貴史が私の部に配属されてきました。入社したてで緊張していたせいか、私が何を言っても、「はい。頑張ります。」と一点張りだったのですが、飲み会で意気投合してからは、肩の力も抜け、持ち前の明るさが出てきて、上司部下というよりも先輩後輩といった気軽な仲になっていました。
仕事面では、真面目に取り組み、要領もよく、また、ときには上手く上司を立てられる、しっかりした人だなと思わされることがよくあります。
プライベートでも最近では私が貴史を釣りに連れて行ったのがきっかけで、釣りに興味を持ち、休みの日にたまに一緒に出かけるなんてことも少なくありません。
今日の結婚についても、前から沙紀さんと三人で何度かお食事に行ったことがあったので驚きはしていませんが、やっとこの日が来たかと安堵の気持ちでお二人を見ている次第です。
気遣いでき、おしとやかで女性らしい沙紀さんは、いつも賑やかな貴史を支えてくれて、彼には理想の方だなと思います。貴史もやるときはやる男なので、妻を持ったということで一生懸命沙紀さんを、またこれからできる二人の家族を守っていくことでしょう。
仕事の面でも今以上に身が入ることだろうと期待しております。仕事のできる貴史にはたまに残業をしてもらっていたり、休日なのに出勤させてしまったりということが少なからずございます。
その点は沙紀さんに私からお詫びしなければなりませんが、仕事で疲れて帰ってきた貴史をどうか温かく迎えて支えてやってください。沙紀さん、よろしくお願います。
なにより、お二人で支え合い、想い合い、励まし合ってお二人の、お二人だけの明るく心安らげる家庭を築いていってほしいと思います。
ご両家、ご親族の皆様のご健康とご多幸をお祈りし、また、二人のこれからの幸せを確信し、私の祝辞とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。
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